日本最高峰の木造建築として世界に類を見ない完成度をほこる姫路城。
大天守は外から眺めると一見、5階建てに見えますが、
内部の造りは地上6階・地下1階の7階構成になっています。
大天守の解説
地階(流し)
具体的な用途は不明ですが、すのこの下は中央部に水が集まる
ように傾斜していて、そこに集められた水が北側の内庭に
排出されるようになっています。
一階(六葉釘隠し)
長押などに出ている釘の頭部を隠すための装飾。
6枚の葉をデザインしていて、葉と葉の間に猪目と呼ばれる
ハート型の隙間ができます。
二階(破風の間)
天守入り口に架かる入母屋破風の屋根裏の空間です。
格子窓の一つは開閉できるようになっています。
三階(武者隠し)
建物の四隅に伏兵を配置する空間があり、
内部には狭間設けられています。
四階(高窓・煙出し)
籠城の際に射撃をすると、室内に硝煙が充満します。
それを排出するための高窓です。
五階(西大柱)
東西2本の大柱の最頂部で地階から5階の梁まで通柱となっています。
柱が梁を受ける接合部分は、昭和の大修理の際に鉄板で補強しています。
六階(幻の窓)
6階は壁面すべてに窓が開けられる予定でしたが、
築城途中で設計変更され、4隅の窓を塞いだことが分かりました。
最後に
築城以来400年、姫路の地に砦が築かれてから600年を超える歴史を刻み、
未来への遺産として大切に受け継がれる姫路城。
姫路城を舞台に繰り広げられてきた多彩なドラマに歴史を感じることができます。